カウンセリングとの出会い

私はカウンセラーになりたくてカウンセリングを学んだわけでは無い。30歳の頃だろうか、同僚の机上に「新訂カウンセリング」の本が置いてあった。伊東博著だったと思うが、当時ロジャーズ流カウンセリングが日本に入ってきて、学校カウンセリングの始まりとなった本だったと思う。受容・共感・自己一致の態度を身につける事の大切さを強調していた。

当時、私自身生徒を見る目に、どうも歪みが有るのでは無いかと感じ始めていた。生徒自身の問題もあるが、生徒に接する私にも問題があるのではないか。私の周りにいる生徒の動きを見ていて、わたしの動きを見られている。どういう自分に見られているのかを、観察されている。じゃ私は私がわかっているのか。

そのような時期に出会った本だった。「汝自身を知れ」から始まったカセリング学習になった。本を何度も繰り返して読んで、内容の理解は身についてきて、生徒への接し方も変える努力をしていったが、逆に学級経営が不安定になってしまった。畳の水練と言うやつだ。

実践をどうするのかの課題にぶつかった。